走り疲れて入ったのがつつじ公園だったんだ。


今では歩いて数分の距離の小さな公園なのに、その時は少し遠い大きな公園だと思っていた。


小さな私には総てが大きく見えたんだ。



公園のブランコに乗りながら、これからの事を考えた。


お父さん…音和を嫌いになるかな?
お母さん…こんな子いらないって言うかな?




夕方になり、日が沈みそうな時。


隣のブランコが揺れて、隣に座った男の子。

同じくらいの子だった。



「…帰らないの?」

その子は私に聞いた。


「音和ね、お父さんとお母さんに嫌われちゃうの…お父さんの大事なもの壊しちゃったから…

今、鬼さんみたいに怒ってるかもしれない」


こちらは、しんみりしながら言ってるのに、男の子は興味ないのか「ふーん」と答えてブランコをこいだ。