「焼いちゃ駄目だよ!豊、寝てるだけかもしれないじゃん!

もしかしたら目を覚ますかもしれないじゃん!」



必死に叫ぶ私に、二人のお母さんが私を挟むように立って、ギュッと私を抱きしめる。



私の目からはポロポロと大粒の涙がこぼれた。





豊が死んでから葬式の今日まで泣く事が無かった私。


周りより冷静で、「悲しい」という感情が表に出なかった。



それは、ただ単に豊の死を受け止めて居なかっただけで、
葬式や燃やされる事で、やっと豊の死を実感したんだ。



燃やされれば、形のある豊にも会えない…






ガクンと膝の力が抜けて、支えられたまま床に座った。



豊…………豊……………



「やあああああ!」



お腹のそこから悲鳴の様な声が出た。
喉の奥から口の中まで辛くて痛い。



隣では豊のお母さんが、私と同じ様に泣いていた。