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ベンチに腰掛けて。
目の前にある大きな桜の木。これを見る度に俺は音和に会いたくなる。
この木…音和みたいでしょ？
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目の前にあるのは、中庭のどの木よりも太いくて真っ直ぐ立つ木。
満開の桜を頑丈な幹で支えてる。
「本当だ…音和みたい……」
優也はしみじみと言う。
「えっ…どういう意味？太ってるって事？」
私は解らずに優也へ聞く。
「違うよ…音和太ってないし……でも理由は俺と豊さんだけがわかれば良い」
優也のフォローだか否定だか解らない言葉に、私は悩む一方だった。
まぁ、でも優也はこの桜の木に興味があるらしくて、ジッとその木を見つめていた。
