図書室に入り、指定された番号を頼りに「RIBBON」という絵本を見つける。



あまり読まれてなさそうなその本は、図書室の奥の方にあった。



「音和…向こうに椅子がある」


その場で本を開こうとした私に優也が椅子を指差した。



優也は、今日一日で随分私に対して柔らかくなってる。


豊の過去から私を知ったからか、豊を知る事への共通意識か……



私は自分の心が、優也を段々に受け入れ様としているのを感じてきていた。


優也は、感情を出すのも、言葉を出すのも不器用だけど、優しさがある。

それは、一緒にいるからこそ気づける。だから私の心が自然と受け入れていく。




二人で椅子に座り、絵本を開く……