「俺から豊に頼まれた事…それは昔の豊を話す事…」
昔の豊…?
「豊、この二年で随分変わったよ。音和ちゃんに出会ってからね。
それまでのアイツは……いつ灰になってもおかしくなかった。
身体が元々弱いから、やる事も限られてる。生きる希望を持てなかったんだと思う。自分の身体を大切にしようとなんて思ってなかった。
性格だって捻くれてたんだぜ?二重人格ってか、表向きは良くて裏は黒かった。
俺はアイツを悪魔だと思ったね。
でも……
高校でアイツにあったら、最初の内は黒い部分もあったけど、段々除外されていった。
音和ちゃんに出会えて、人に優しくする事や大切にする事、生きる希望、自分を大切にする事、
アイツに必要だった全てをアイツは知ったんだ」