教室に戻るまでの道のりで、優也の背中を見つめながら歩く。



クラスの子に話し掛けられても、表情を変えずにボーッと答える優也。
皆が笑ってる中で、一人だけ無表情で居る優也。
誰かに何か聞かれても「どっちでも良い」と言うように接している優也。
一人だと、独自の世界に入ってる様で、外をボーッと眺めてる優也。



そんな優也だから皆は無気力・無関心・無表情と言うけど、
私と接してるこの優也は、生き生きしている気がする。


表情は少し硬いけど、喜怒哀楽が出づらいだけ。

興味の無い事は無関心みたいだけど、それでも考える事ができる。

口数は少ないけど、必要な言葉はしっかり言う。

人のピンチを考えて助けてくれる。

何よりも、一人の人との約束を懸命に守っている。



この旅を優也と二人でと言った豊は、何かを思って優也に託したのだろう。