「元々身体の弱い子だったから…」



おばさんはそう言った。




私には難しくて、病名なんて解らなかった。



ただわかったのは、
元々の弱い身体だったから、
小さな病からでも死の可能性があった。
いつ病気が悪化してもおかしくなかった。


そういえば、数日前に豊の家に行った時、沢山咳してたな。

「大丈夫?」
って聞いたら、
「音和に会えないよりは大丈夫」
って恥ずかしい事を言ってたっけ……


全然大丈夫じゃないじゃん……

私に会えない事よりも死を選ぶの?



結局それが、生きた豊に会った最後の日になった。