「ゆっ…」
「ここに…」
優也に聞こうとすると、
私の言葉を遮るように、目の前に白い封筒を出した優也。
「ここに旅のチケットがある。
豊さんを見つけて先に進むチケット。
俺と旅をするならこのチケット渡すけど…どうする?」
風でヒラッと揺れる封筒に目が奪われる。
豊をみつける?豊は死んだのに?
でも、ハッタリじゃなく豊を知ってるであろう優也……
この封筒は豊が用意したのだろうか?
「……私の感情に優也を巻き込む事はできない。
私一人でいい」
封筒に手を伸ばせば、
それは高く上げられて取れなくなってしまった。
「俺が引率するのは豊さんからの命令事項。
俺が居ないならこれは使えないよ…」
そう言って封筒を破ろうとする優也の手を必死に止めた。