あれから、山岸君をついつい見てしまう。
好きとかじゃなくて、山岸君の私に対する行動が不思議なだけ。
彼は、高校に入ってから知ったから、私たちは入学式が初対面なはず。
でも彼は絶妙なタイミングで私を助けてくれる………様な気がする。
何に対しても無気力そうな彼が…
「部活の先輩に聞いたんだけど…3年生で…」
クラスの女子が数人で集まって話をしている。
女子は噂話とか好きだからな~。
別に話に入るつもりも、噂が気になる訳でも無いけど、自然と耳に入って来た。
「結構カッコイイ人が居てね、性格も凄く良いんだって~」
「え~!」
「誰だれ!?」
女子はヒートアップしながら続きを待つ。
「でもその人…3月に病気で死んじゃったんだって…」
その言葉に神経が痺れた。
耳鳴りがする……