無表情でボーッとしてる男子はもう一度、
「とわって名前でしょ?」
と私を見ながら聞いてきた。
私も女子2人も唖然としたが、「あっ…うん、正解」と私が言えば、
無表情な顔から少し笑顔が見えた気がした。
そのまま男子は黒板まで行って、自分の席を確認していた。
驚いた。
名前を一発で当てられた事なんてそんなに無かったから。
「とわちゃんって言うんだ?」
隣の席の子が気を取り直して話し掛けて来た。
「うん。武内 音和です。よろしく」
少し微笑みながら言う私に、
隣の子が
「私、熊田 明日香(くまだ あすか)」
その前の席の子が
「私、金城 華那(きんじょう かな)、よろしくね」
と挨拶をしてくれた。