「じゃあ、そろそろ……あたし」

行かなきゃ、って言おうとしたのに、上手く言葉が出てこない。


「行きたくない……」


玄関で、あたしは朋宏に抱きついていた。


「俺も、早く優奈を学校に送りださなきゃいけないって分かってるけど……」


朋宏もあたしを抱きしめ、優しく頭を撫でた。


「昨日は大学の授業が全然頭に入んないくらい、優奈のことずっと考えてた」


「あたしも……! 朋宏のことばっか……」


と言いかけたところで、キスで口を塞がれた。

初めは優しく、体温を交換するように。


「優奈……愛してる」


次第に、舌を使って、激しく。


「ん……とも……ひろ」


あたしはローファーを脱ぎ、朋宏に更に体を近づけた。