私の意地っ張り。へそ曲がり。


「嗚呼、申し訳ございません。私としたことが」



黙り続ける私のいるベッドの横に、いきなり跪いた零。

意味が分からない。この行動は何?



……何?

上半身だけ身体を起こして、零を見つめる。



「お一人では、お着替えが出来ないのですよね」

「え…?」

「お手伝い致します、お嬢様」



零は綺麗な細い手で、パジャマのボタンをひとつひとつ器用にはずしていく。



な……っ!?

な………っ!!!!?



「それくらい出来るわ! この馬鹿っ! 変態!!!」



バクバクなる胸を押さえて、突き放す。

な……なんなのよ。


いつもは着替えなんて手伝うことなんてないじゃない。
リボンを結ぶだけじゃない。

あからさまに動揺する私を見て零はニヤっといやらしい笑みを浮かべる。


わざとだ。絶対、わざとだわ。



「申し訳ございません。お腹が空くと泣くくらいなので、お着替えもお一人では出来ないかと思いまして」



ムッカ―――っ!!!
落ち着くのよ、朱里。