枕を彼に向かって思い切り投げて、涙でぐちゃぐちゃになった顔を見せないよう手で顔を覆う。



「…何故お泣きになるのです? 私、勘に触ること言いましたでしょうか?」



私の涙でしめった枕を抱えるようにして持つ零。

不思議そうに、首を少し傾げ見つめている。


………アンタが悪いんじゃない。
全部、零が悪いの。


これを言ったら、また変な質問をされるだけだろう。



「零が……朝ごはん早く用意しないから…お、お腹空き過ぎて泣けてきた…だけ」



咄嗟に思いついたことを適当に並べる。


言った後すぐに後悔した。

馬鹿にしたような、見下したような目で見つめる零がいたから。


「はぃ?」


言ったからには、後戻りなんてできない。


「だ、だから…おなか空いたの~~!!」

「赤ん坊ですね、まったく…」



赤ん坊?

まったく??