『零は特別だからいいの』そんな可愛いことが言えるなら、言ってみたい。



「……零って男だったの?」


ふんっと鼻を鳴らして、温かいふわふわの布団にもう一度潜る。


私の馬鹿、意地っ張り。素直になりなさいよ。
別に『好き』なワケでは、ないんだから。


そんな自分に嫌気が指して鼻の奥がツンッとする。

また、涙が出てきそう。


これなら、今までと同じ繰り返しをしていたほうがよかった。
欲を出したから罰が当たったんだわ……きっと。



「ご存知なかったのですか? それとも…私が女にでも見えます?」



追い討ちをかけるように、響く甘い声。



もう…

もう……!!!





「五月蝿いわよっ!!!!」