電車に揺られながら考える。

これからの事を…



悪魔払いの本でも読むとか?

落ちない汚ればりに効果なさそいだけど…

悪魔とか冗談キツいよ。

勝手に来た癖居座るし。

ご飯は……

美味しかった…けど…

うん……



親が旅行でろくなモノ食べていなかったらしい、

あれは少し嬉しかったようだ。

窓の外を流れる景色をぼんやり眺めながら

こうしていればなんら変わらない平凡な時間なのに…と思う。


「おはよう伊藤さん。どうしたの?難しい顔して」

「あ、渡部くん。おはよう」


停車した駅から乗り込んで来たのは渡部拓郎だった。

同じ学校でありクラスメイト。

少しぽっちゃり気味の冴えない普通の男子学生だ。


「毎朝必ず会うね」

「そうだね」

「どっかで見てるのかと思うちゃうよ」

「ははっまさか」


そう絶対会うのだ。

たまに乗り過ごしや早めに乗っても必ず会う。

特に問い質すような事はしないが妙だとは思っている。

まぁそこには

純情のような

腹黒のような

渡部の隠れた努力があるようだ。

「あ。今日からまた一週間が始まるから憂鬱とか?」

「まぁ、ちょっと厄介な人と仲良く?なっちゃって…」

「へぇ…」

「ほら私、人あしらい上手くないなら」

「そんな事なうと思うけど」


それは本音。

むしろ上手いと思ってた。



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