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「宜しければ、当てましょーか?」

「(棒読みがムカつく!!)」

「魂の契約はもっと神聖なモノです。不適切な表現はやめていただきたい」

「(どこまで読み取れてんの!?)」


卑屈になった自分に自己嫌悪してきた鈴子はドキリ…

それすら顔に出てしまうのだからカマかけ甲斐がない。


「(やはり…)当たりましたでしょう?」

「ち、違います!!」

「そんなに私の力が見たいですか?契約すればすぐにでも」

「しませんッ」


鈴子は腹を立てながらマフラーを巻いた。

外はもう寒い。

上着を着ようか迷っていると…


「鈴子さん」


それは…

思わず振り返ってしまうような声だった。

例えるならセイレーンの歌声が如く。

惹かれる何かがあるのだ。


「あの…それって…悪魔の特性、なんですか?」

「特性でしょうかね」

「厄介なんですけど」

「魅惑的に誘い込むのは契約のコツみたいなものですから」

「うわー悪魔」


と鈴子が言えば。


「そうですよ」


と水野がシレッと返した…



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