友里と帰る約束だったはずの優哉だが、半年前【あの噂】を教えてくれたサキによって、その約束は果たされなかった。



「友里…。」


友里は振り返らない。
優哉の瞳にも悲しみの色が入った。


「優哉くん、ごめん!!
また来るから追いかけていいよ!!」


優哉はすこし迷った。
が、すぐに心を決めた。



「いや、僕はサキの話をきくよ。」



友里のためだった。

少しでも友里の力になりたかったから、できるだけ知っておきたいと考えた。






しかしこの時、友里と大和の距離が近づいていたことを知らない。


この判断の合否は優哉がのちに痛感することになる…。