「な、な、なんで?」


この前久弥の家から自宅まで久弥の車で送ってもらったから、


久弥がうちの自宅を知ってるのはわかる。



でも、



「なんでいるの!?」


「会いたくなったから」


恥ずかしげもなくそんなことを言う久弥。


こっちが恥ずかしいよ。



「海藤さん、お夕飯まだなんでしょ?」


「えぇ、仕事が終わってそのまま来ましたので」


「あら、じゃあ……うちで食べて行ってください」


突然のお母さんの申し出に久弥よりもあたしの方が驚いた。



「ちょっと、お母さん!!そんな勝手なこと!!!」


「では、お言葉に甘えて」


お母さんは久弥のその言葉を聞くと、久弥にスリッパを渡した。



「サク!!そんなとこで立ってないで、準備手伝ってちょうだい!!!」



「……わかった」



あたしはお母さんに続いて久弥をリビングに案内した。