間接照明だけついた広い寝室。



キングサイズのベッドの上に横たわり、視線を上げると久弥の綺麗な顔と天井。



「……桜、いい?」


久弥の色気漂う声に鼓動が加速する。



「昨日は許可も取らずに無理やりエッチしたくせに……」


「昨日?……あぁ。言っておくけど昨日、俺と桜はしてないからな」


……してない?


「えっ!?してないの!?」


だってあたし裸で寝てて、久弥がお風呂から出てきて……。


……あれ?



「昨日の夜、飲み行ったら桜がもう完璧に酔い潰れてて、俺に絡んできて離さないものだからホテルに連れていった。部屋に入った途端に脱ぎだしてそのまま爆睡」



………あれれ?



「あたし勘違いしてた?」


「勘違い。さすがの俺も酔ってるやつに無理やり迫ることはしないよ」



なんだ、勘違いだったんだ。



安心したような、残念なような。



「それより……俺もう限界なんだけど。いい?」



「……いい、よ」



久弥が限界なら、とっくにあたしは限界を越えている。



久弥が欲しくて仕方ない。