「お疲れ様」


午後は順調に記事を仕上げていって気付けば定時を少し過ぎていた。


今日はここまでにして帰ろう。


荷物をまとめて会社の正面玄関を出た。


帰りに駅によってカードキーが拾われてないか聞かなきゃな。


外に出ると春先の風が冷たく身を縮める。


寒い、早く帰ろう。

歩く足を早くすると会社前に停まっていたポルシェから人が出てきた。


「さーくらっ」


そいつは今朝、会った男。