「サク、飯食い行くぞ」


その声はあたしの向かいのデスクの亮太だった。



「へっ、ご飯?」


「もう昼だ。お前何時間パソコン打ってるんだよ」



時計を見てみるともうとっくにお昼は過ぎていた。



「そうだね、行こうか」


お財布だけ持って亮太とお昼へ向かう。


「どこ行く?」


「たぬきちに行こう、たぬきち。月見な気分なんだ」


「おっ、いいな。俺はかき揚げにしよっと」


たぬきちは会社の横のうどん屋さん。


こじんまりとしているけど味は絶品。