「案外、普通に入れましたね……」


久弥とは会わせません!!!って門前払いされるかと思ってたのに。



「久弥が俺たちが来ることを予想してこの兄ちゃんに入れるように言ったんだろ」



蒼さんは顎で前を歩いている黒スーツのお兄さんを指した。



黒スーツのお兄さんは反応しないまま歩いている。



「こちらです」



着いた先には大きな扉。



この先に久弥がいるんだ……。



「では、ごゆっくり……」



黒スーツのお兄さんはお辞儀をしてその場を後にした。



「久弥、開けるぞ」



蒼さんがドアノブを回して引いた。



久弥はテラスにある椅子に腰をかけていた。



「蒼?……っ桜!?」



蒼さんが来ることは予想してたみたいだけど、



あたしが来ることは予想外だったようで驚いた顔を見せた。