今日も寝れなかった。

「隼人、最近寝不足なん
じゃない?」

僕のお母さんは僕のことは
お見通しだ。
「……多分。」

僕は園田隼人。
明日から西高校の1年。

無口で静かな性格で
おとなしい僕は昔から
いじめられっ子だった。


明日から行く学校で
いじめられないか不安。

そんな臆病な自分にも
腹が立ってしまう。

「あ、そうそう!
日向ママとパパが今日から
出張みたいだから、日向くんに
これ持って行ってあげて?」


そう言ってお母さんは
僕にタッパに入った
煮物とサラダを渡した。


「うん……。」


日向は僕の幼なじみ。
幼稚園のときからの仲。

いじめられてる僕を
助けてくれる唯一の人
でもあった。