彼に着いていくと、彼の
家があった。でも真っ暗で
誰もいなかった。


玄関に入ると、靴はひとつも
なかった。

「美月ちゃん、ダメじゃん。」

「え?なにが!?」

うろたえているうちに
彼は私の唇を奪った。

「可愛いね」

そう言ってくれた。

嘘でも嬉しい。


私は早朝に彼の家を出た。


北野美月

080-****-****
*******@*****.ne.jp

このメモだけを残した。

次会ってくれるかなんて
わからない。会っても
利用されるかもしれない。

それでもいい。

そう思うのは間違い?


初めて経験した痛みで
入学式は集中出来なかった。


………私は彼の何?