赤くなってうつむいた月華をダルジェはやはり微笑ましく眺めていた。

ほかの者と話すのが楽しいと感じたのはいつ以来だろうか?

ヴァンパイアの世界にもやはり社交界や舞踏会もある。
だがそこで逢うものは皆私に取り入ろうとするものばかり。

だが月華は違う。
ただ純粋に私と話してくれる。

「あの、そういえば私この屋敷にいてもいいの?」

突然月華が不安そうに呟く。

「なぜだ?」

ダルジェは不思議そうに呟く。

「その、迷惑じゃない?私みたいなのがいて。」

「構わない。それにお前はほかに行くところがあるのか?」

ふるふると首を横に振る月華。

「ならばそんなつまらぬことを考えずここにいたらいい。お前一人居てもなにも迷惑な事は無い。」

「本当?」

凄く驚いたという表情をしている月華。

「ああ」

「ありがとう。」

「ああ」

ありがとうといわれると正直どうしたらよいのかわからない。
だがこの優しい気持は悪いものでもないな。

そう考えダルジェは月華を見つめた。