──4月。
全てが新しくなる季節。

そんな季節にあたしは
高校生になった。


新しい制服
はじめてのローファー
はじめての通学路

何もかもが新鮮だった。


「湊、待ってよ!」


少し手前を歩く幼馴染みの
湊に声をかけながら
慣れないローファーで
追いかける。


「おっせーよ、杏。」


冷たく話す湊は
小さい頃から変わらない。

あたしの大切な
幼馴染みだ。