「まあ、あなたも不運ですよねぇ。ここは音がよく響く、ほらまた」 ドーンという地響きにも似た音。 光が先に到着し、音が後から怖さに拍車をかける。 ひっ、と目を瞑る夏川。 「夏川璃苑。これは、独り言になりますが、俺はあなたのためにいますよ」 「え……」 「頭の良いあなたなら分かるでしょう。この意味――いや、俺の意味、が」