私の両親は、私が小学校6年生の時に交通事故に遭い、亡くなった。


もうすぐ中学生になる私は、突きつけられた現実に押し潰されそうになり、ひたすら泣いて、一人になる怖さを感じていた。



そして、親戚の吉原家にお世話になることになった。

吉原家の両親は、会社をやっていて、お金持ちらしい。

私より10歳上の吉原家長男が自慢そうに言ってきた。


だけど、親戚と言っても会ったことがなく、家にいても他人の家にいるみたいだった。


そんな気持ちは、吉原家のみんなも思っているみたいで、必要最低限は話さなかった。


だから私は、与えられた自分の部屋に入って、亡くなったお母さんとお父さんに届くはずのない手紙を書いていた。