俺は由宇の手を取り、歩き出した。

 すると弥英ちゃんが反対側の手を握った。

 やっぱりなんだかんだで寂しいんだな。


 俺たちが親父たちのもとへ戻るとそこには一人の女性が立っていた。


 「弥英ちゃん…」

 「ほのかさん」


 鈴原ほのかさん、奈那子さんの友人で仕事仲間。

 のんびりとした奈那子さんを支えるしっかり者だ。


 「ななちゃん、眠っているみたいね」


 ほのかさんがそういうと弥英ちゃんはにこっと笑った。


 「ほのかさん、賢さんと空ちゃんは?」


 賢さんはほのかさんの旦那さんで空ちゃんはほのかさんの息子さんだ。

 賢さんは優しくて俺も憧れるいい男だ。