おばちゃんに笑顔で会釈してまだ固まってる仁のところに行った。


「仁。ご飯」

「えっ!俺なんで固まってたんすか!ゾクって寒気がしたのは分かるんですよ」

「気のせいじゃない?早く食べよご飯冷める」

「じゃ、俺も注文してきますね」

「仁のは、もうある」



あたしが持ってるおぼんの中に・・・。
煮魚定食とからあげは仁の。



「・・・え?・・み、美麗さんが俺に!?・・感激っす」


「仁。好きだったでしょ?からあげ」


「大好きっす。特に美麗さんの作ったやつが!」


「じゃあ、今度作るね」


「マジっすか!?」



目をキラキラさせてる仁。
子供かって!


「うん。てか、ご飯ホントに冷めるから早く食べよ」

「そうっすね!じゃああそこに座って食いましょ?」

「うん」



仁が指差したテーブルに行き椅子に座る。
あたしの前は仁。




「美麗さんあの時はスミマセンでした。」



椅子に座って真剣な顔して頭を下げる仁。
仁のせいじゃない。



「・・・・・・・・・・・・・」

「あの時、俺に力があれば・・あんな事には」

「・・・・・・・・・・・・・」




仁。
あたしも力があればって思ってる。
仁は十分強かったよ。



「あんな事がなければ美麗さんは消えることもなかった」

「・・・・・・・・・・・」

「美麗さんから笑顔が消える事もなかった!!」

「・・・・・・・・・・・」

「俺には・・・俺には美麗さんの笑顔さえ守れなかった!!」

「・・・・っ違う。あたし笑ってるよ?」



笑ってる。
あたしは笑ってるよ。
何を言ってるの?仁は



「俺の知ってる美麗さんはそんな薄っぺらい笑顔じゃなかった!!心から笑ってた!俺は・・俺は笑顔の一つも守れなかった!」



泣きそうな目で言ってる仁にあたしまで泣きそうになった。
悪いのは仁じゃない。
なのに、仁は・・・・



仁はいつまでも自分を責め続けてる。


そんな事、あたしもソラも望んでないのに!