「仁。そろそろ教室行こう?」
「あ、はい。でも煙草吸ってる途中なのにいいんですか?」
仁の視線は、あたしの手にある煙草。
足で煙草を消して
「いいよ。別に」
「そうですか。では行きましょう」
いまだ固まってるやつ等と、あたしを真っ直ぐな瞳で見てる龍輝をおいて屋上を出た。
教室に向いながら仁に話しかけた。
「仁。探しに来てくれてありがと」
「いえ。俺が美麗さんの事勝手に探しただけですから」
「おかげで助かった」
仁があそこで来てくれなかったら・・・尋問され続けただろう。
「なんで、スパイなんて言われてたんですか?」
「教室で殺気出したら、赤髪に疑われた」
「そうなんすか・・気を付けて下さいね?」
「努力するよ。・・なんか疲れた」
「じゃ、早めに寮に行きますか?」
「うん。そうする。案内してくれる?」
なんか、疲れた。
まだお昼にもなってないのに。
「もちろんっすよ!」
歩いて10分。
「ここが美麗さんの部屋っすよ」
着いた部屋のドアには金のプレートに黒崎 美麗って書いてある。
「なんかでかいね」
「美麗さんは、特別だから一番広い部屋っすよ!」
特別ってどんな特別だよ!
「へぇー。ご飯とかは、どうすればいいの?」
「自由っす。作るもよし!学食でもよしって感じです」
「ん。分かった。ありがとね」
「じゃ、失礼します」
仁は、あたしに頭を下げて帰ってった。