「だって、高山いないと…都倉、何するか分かんないし。」
り、理世ちゃん。
「ひどいよ、高田ちゃん!」
「あんた、軽くて有名だし?あたし一人じゃ、美鈴守れるか不安だし。」
「ひどいなぁ。俺、そんなけだものじゃないよ!」
けだものって…
「じゃあな!」
陸斗君が私達に言う。
…あ…
「おー…」
「じゃあね!」
「ば、バイバイ。」
陸斗君は走ってどこかへ向かった。
陸斗君、急いでる感じだったなぁ。
何かあったのかなぁ。
「じゃあね、都倉!」
「あ、高田ちゃん!」
私は理世ちゃんに連れられ、女子寮へ。
「理世ちゃん、これからどうするの?」
「女子二人で語ってよう。」
「う、うん!」
理世ちゃんに話さなきゃ。
私の気持ち。
陸斗君が好きだって。
「わあ…」
私達は私の部屋へ。
「美鈴の部屋、可愛い!キッチンもお洒落だし!」
「あ、ありがとう!」
私の部屋に誰か来るなんて初めてかも。
嬉しいなぁ。
さ、さて
「あ、あのね!理世ちゃん。」
「んー?」
「わ、私…理世ちゃんに大事な話ある!」
「どうしたの?」
理世ちゃんには伝えたい。
「私…陸斗君の事が好きなんだ!」
い、言っちゃった。
「良かったじゃん!美鈴!」
理世ちゃんは笑って私に言う。
…え…
「理世ちゃん…」
「頑張って、美鈴!」
理世ちゃんは私の手を取り、言う。
「う、うん!が、頑張る。」
嬉しいなぁ。
友達に応援してもらえるって。
その後はお菓子を食べながら、理世ちゃんと恋愛について語ってた。
私、明日から頑張ろうっ。
そして、その夜
――♪〜♪♪〜♪〜…
メール?
私は携帯を開く。
すると
――ドキッ。
り、陸斗君からだ。
私はドキドキしながらメールを開く。
《今日は楽しかったな。
今日は悪かった。
また今度、カラオケ行こうぜ。
また、みんなで動物園
行きたいな。》
陸斗君…。
《すごく楽しかったね!
カラオケ、みんなで行こうね。
私もまた行きたい!》
私はそう返信。
陸斗君からメールが来るだけでドキドキするなぁ。
また、行きたい。
みんなで動物園。
少しすると
《じゃあ、また明日。
おやすみ。》
おやすみ…。
早く陸斗君に会いたいなぁって思う。
明日が楽しみで仕方がない。
陸斗君ともっと仲良くなりたいな。
――翌日。
「今日はガーデニングだぁ。」
今日は学校の庭のお手入れの手伝い。
パンジー可愛いなぁ。
さて
水も全部のお花にあげたし…
今日は早く終わった。
さて、
教室に…
……!?
――ズルッ。
ホースにつまずいて…
…うっ…
か、顔から花壇にダイブしてしまった!
よ、良かった。
花に被害はなくて…
けど
「ゴホッ…」
顔も制服も土まみれ。
ど、どうしよう。
洗い替えのワイシャツ、まだ干してるし。
うっ…
顔が土まみれ。
何とかして洗い流さなきゃ…
「だ、大丈夫!?」
…え…
私は振り向く。
は、恥ずかしい。
誰かに見られ…
…わ…
「すごい土まみれだよ?」
き、綺麗な人だ…。
先輩…かなぁ?
「どっかケガしてない?」
「へ、平気です。」
は、恥ずかしいー。
だけど
「ほら、可愛い顔が台なしだよ?」
彼女はハンカチで私の顔を拭く。
「あ、あの…ハンカチ…」
よ、汚れちゃう!
だけど
「良いの。気にしないで。ちょっと濡らして来ないととれないかもね。待っててね。」
「は、はい!」
美人な上に優しい人!
けど
「遅いなぁ。」
どうしたのかな。
少しすると
「ごめんね、お待たせ!」
彼女が戻ってきた。
…あ…
「あ、あの…」
「はい、じっとしてて。」
彼女は私の顔を濡らしたハンカチで拭く。
「うん!とれた!」
「あ、ありがとうございます…」
「あと、これね!」
彼女は私に制服一式を渡す。
「あ、あの…」
「私の洗い替えの制服!これ着て良いよ。」
「よ、良いんですか?」
「土まみれだと辛いでしょう?気にしないで着てね!」
や、優しい人だぁ…。
感動…。
笑われるかと思ったけど…
全然、そんな事なくて。
優しくて綺麗ですごく素敵な人だなぁ。
けど
遅くなったのって…
もしかして
「あの…わざわざ、これを取りに?」
「うん!」
「あ、ありがとうございます!」
「いえいえ。可愛い後輩が困ってたら助けるのは当然だし。」
か、可愛い後輩…
「あ、ありがとうございます。あの…後で洗濯して寮に返しに行きます!」
「洗濯しなくて良いよー。普通に返して大丈夫!あ、私は二年の宮瀬夏穂。」
「は、はい。宮瀬先輩。」
「んー…何か堅いなぁ。他の呼び方で!」
えっと…
「な、夏穂さん?」
「うん!あなたは何てお名前?」
…え…
「い、一年の桜沢美鈴です。」
「美鈴ちゃん?可愛い名前ね!よろしく!」
夏穂さんは私の手を握り、言う。
「よ、よろしくです。」
「いつもガーデニングを?」
「きょ、今日はたまたま。毎朝、学校のお手伝いを頼まれてて。」
「へぇ。偉いね!とても素敵な心がけだよ!」
「あ、ありがとうございます…」
「私に手伝える事があったら言ってね!」
「は、はい!」
よ、良い人だぁ。
「にしても、美鈴ちゃん。」
「は、はい!」
「ふわふわして可愛い!」
夏穂さんはいきなり私に抱きつき、言う。
す、すごいノリの人だ。
「か、可愛くないです!」
「可愛いよー!」
「い、いえいえ!」
「ね、美鈴ちゃん。」
「は、はい!」
「美鈴ちゃんは何組?」
「い、1年C組です!」
「へぇ。じゃあ、また会えるね。」
「へ?」
また会える…?
「あ、私…学園長に会うんだった!また話しましょうね。またね、美鈴ちゃん!」
「は、はい!」
綺麗な先輩…だったなぁ。
すごく優しくてフレンドリーだった。
私もあんな人になりたいなぁ。
憧れちゃうなぁ。
仲良くなれると良いなぁ。
…はっ…
寮に着替えに行かなきゃ!
――ガラッ。
着替えると、私は教室へ。
「あ、桜沢。おはよう。」
「お、おはよう!」
り、陸斗君…。
やばい。
好きだって思ってから余計に意識しちゃうなぁ。
ふ、普通にしなきゃ。
「そういや、昨日…俺の鞄にお菓子入れただろ?」
陸斗君が私に聞く。
「う、うん!」
迷惑…だったかな。
「サンキューな。昨日、色々食べたけど…みんな美味かった。チーズのやつとか。」
「あ、私もあれ好きなんだ。」
「また、くれよな?」
陸斗君が言う。
喜んでくれて良かった!
「うん!じゃあ、今度…駄菓子屋にたくさん買いに行くね!」
「駄菓子屋?」
「うん!すごく安くて美味しいお菓子がたくさんあるんだよ。」
「そんな所があるのか。」
「うん!」
「今度、俺も連れて行け。」
「う、うん!陸斗君、絶対気に入る。」
嬉しいなぁ。
陸斗君と駄菓子屋さん!
「桜沢といると新しい事が色々分かって面白いな。」
陸斗君が言う。
お、面白いかぁ。
「い、いっぱい陸斗君にとって新しい事教えてあげる!」
「ああ。」
やっぱり
陸斗君といると楽しい。
――ガラッ。
「おっはよう!」
浩太君が教室に入ってきた。
「おぅ。」
「お、おはよう!」
今日もパワフルだぁ。