だけど


――ガラッ!


…あ…


「はぁはぁ…」


陸斗君は走ってきたみたいだ。


「大丈夫ですか?今、お水を。」


「すみません…」


大丈夫…かな。


「陸斗、どうした?」


浩太君が陸斗君に聞く。



すると


「委員会終わってすぐに女子に囲まれてな。恐怖を感じたから逃げてきた。」


「羨ましい悩みだな、陸斗さん。」


「お前なぁ…」


陸斗君、大変だなぁ。



…あ…


陸斗君が持っている袋にはたくさんのプレゼントが。



去年より多いかも…


やっぱり、渡すの不安。



あんなたくさんの中の
一つだもん。


だけど

やっぱり…


「浩太君、お茶を沸かして来て頂けますか?」


「え?」


神谷先生が浩太君に言う。


「水がなくて。お茶ならあるので…お願いします。」