だけど
――放課後。
「…え?」
「陸斗、委員会みたいで来れないと思うよ。」
多目的室に行くと、浩太君が私に言う。
「そんな…」
「まあ、俺は邪魔者がいなくて安心だけど…」
浩太君が言う。
「え?」
すると
――ガラッ。
「お待たせしました!」
神谷先生が入ってきた。
「あれ、陸斗君は?」
…っ…
渡せないまま…なのかな。
浩太君に渡してもらうって事もできるけど…
浩太君の気持ちを考えたら…
それに、ちゃんと自分で渡したい。
けど
寮には門限があるし…
うっ…
「美鈴ちゃん、どうしました?ぼーっとして。」
「え?あ、すみません!」
だめだ、もやもやして勉強に集中できない!
補習が始まってから一時間。
陸斗君、やっぱり来れないのかな…。