分かってるのに。


「後で、お話聞きますよ。」


神谷先生は小声で私に言う。


神谷先生…


「先生、ありがとうっ。」


「いえいえ。では、放課後。」


やっぱりお兄ちゃんみたいだなぁ。



優しいお兄ちゃん!



「…桜沢。」


「は、はいっ!」


私は陸斗君に声をかけられると、陸斗君を見る。



「神谷先生と本当仲良いのな。」


「ああ、うん!すっごく優しくて先生で1番話しやすいからね。」


「へぇ…」


「陸斗君?」


「お前さ、神谷先生が好きなのか?」


「へ?」


「どうなんだよ?」


「違うよ!先生は優しいお兄ちゃんみたいで…恋愛じゃない…」


「…そっか。」


「陸斗君?」


「今聞いた事は気にするな。」


「う、うん。」


陸斗君は…



もし、私が神谷先生を好きだと言ってたら、何て反応したのかな。