「桜沢、元気ないな?」


昼休みになると、
陸斗君が私に聞く。


「そ、そんな事ないよ?」


「ほら、これやる。」


陸斗君は私にいちごミルクを渡す。



「いちごミルクだぁ!」


「さっき、移動教室の帰りに買ってきた。それに…」


「ん?」


「今日は身体測定…だしな?」


…あ…


「そっか。頑張って成長しなきゃね。」


「牛乳効果…な。」


「一年の時、本当に伸びてたからね。」


私はそう言うと、いちごミルクを飲む。



「美味しい…ありがとう、陸斗君。」


私は笑って言う。



すると


「…良かった。」


「へ?」


「桜沢、今日初めて笑った。」


――ドキッ。


「そ、そうかな。」


「分かるよ。いつも近くにいるんだし。」


…っ…


「元気…出せよ。」