やだっ…
陸斗君!!
――グイッ。
「…っ!」
…え…
中谷君はいきなり私の腕を離す。
…あ…
陸斗君が中谷君の手首を強く掴む。
「陸斗く…」
「高山君!?」
「こいつに触るな。」
陸斗君は冷たい表情で中谷君に言う。
…っ…
「高山…お前には関係な…」
「悪いけど、お前らと回ってらんねぇ。」
…え…
「高山君…」
「悪いな、天宮。」
陸斗君はそう言うと、私の手を引き歩き出す。
陸斗君…?
――ドサッ。
陸斗君は水族館の休憩する椅子に私を座らせた。
あの時と同じ。
夏祭りの時と…。
「…っ…」
「…桜沢!?」
なぜか、私の瞳からは涙が流れる。
「早く来れなくて悪かった。怖かったよな。」
陸斗君は私の頭を撫で、言う。