こんな事、考えたらいけないのになぁ。
胸が痛んで苦しい。
――昼休み。
「桜沢さん、ちょっと良い?」
…え…
昼休みになると、いきなり天宮さんに声をかけられた。
初めてちゃんと話すよなぁ。
何だろ?
――ガラッ。
私達は空き教室へ移動する。
すると
「桜沢さんにお願いがあるの。」
「…え?」
「…高山君に近付かないで欲しいの。」
…え…
「高田さんにもお願いして貰える?」
天宮さんは真剣な表情で私に言う。
「何で…ですか?」
「あたしは高山君の婚約者になるから。」
…え…
浩太君の話は本当…だったんだ。
「だから、桜沢さんは高山君に近付きすぎだからお願いしているの。変な噂たてられたら迷惑でしょう?」
「わ、私は…そんなつもりはありません。ただ、陸斗君とは友達として仲良くしてるだけで…」