「み、見てないですよ~」
不自然に私は、首をクネらせながら先生から視線を外した。
「ま、見られるぐらいはいいけどな…」
「…………」
見られるくらい…
私は、弁当を片付けると立ち上がって
「七瀬、教室戻ります!」
そう一言言うと、先生の返事も聞かずに私は体育館を出た。
先生、私の気持ち気付いてるの…?
――見られるぐらいはいいけどな――
その言葉は、これ以上はダメ…無理って事だよね。
やっぱし先生は大人。
さっき、先生の事カッコイイとか…恋愛の気持ちを感じてただけで、大人だなんて思ってた私は馬鹿みたい。
先生は、こうやって生徒に好かれる事沢山あるよね。
だから、私の気持ちにも気付いたんだよね。
所詮、手の届かない人。
なのに私は、今までみたいに簡単に諦められない。
ただの一目惚れ。
なのに、どうして私はこんなに先生を好きって思うの?
私は、いつの間にか教室まで着いてて授業の途中の教室に静かに入った。