「ねえ、待ってよ父さん」 んもう、お父さんたら歩くの速いんだから。 もう夜。 寒さが、コートごしに ひしひしと伝わってくる。 「ねえ、どこに行くの?」 「凛に会わせたい人がいるんだよ」 父さんは真面目な顔で、そう言った。