「誕生日、おめでとう! プレゼントはないけど、そのタオルで勘弁してくれっ」

「…うん! ありがと!」


伊藤はいつもの笑顔を、俺に向けた。


そんな姿が、とても凛々しくみえたんだ──。


「じゃあね、”橘”!!」

「…」




何度、彼女は泣いたんだろう


何度、彼女を泣かせたんだろう


何度…


俺は彼女を傷つけたんだろう




いつも見せていたあの笑顔に、どれだけの想いが詰まっていた??


そんなことに気づけない自分に、本当に腹が立つ。