「輝!どうし…」




『朱里ちゃんたち、見た人を見つけた!場所は…』





輝に聞いた場所は、


俺がいる場所とは真逆の場所で。





「分かった!向かってみる!」





走っても間に合うか分かんねえ。


動揺と怒りで、心臓が痛い。


だけど、こんな苦しみ、


朱里に比べたら何でもない。


とにかく走れ、俺。


もう、走るしかねえ。


無我夢中で走って、


やっと輝に聞いた場所まで辿り着く。


ここら辺の公園。


ここら辺の、公園。


公園。公園。


そう周りを見渡している時。





「あ…」





親切に、


"あと300m先、ぽかぽか公園"


と、看板が立っていた。


もう、そこにかけるしか


ねえと思った。


看板を見た瞬間、


それが指す場所に向かって走る。


そこにいなかったら。


どうしたらいい。


そんなマイナスなことを考えながら、


朱里を探して走る。


思ったより300mは長くて、


まだかまだかと焦りが勝った。


そしてようやく見えた公園の


ような場所の入口に男が立っていて。


遠目で見た、乱暴されそうになっている


朱里の姿。





「おい!やべーぞ!」





入口の男が、


中にいる男たちに声をかけた。


俺は無性に腹が立って、


その男をぶん殴った。





「朱里!」




遠くのベンチで寝ている朱里に


声をかける。


朱里に駆け寄りたくても、


その前にやらなきゃなんねえことがあって。






「てめーら、全員殺す!」





絶対こいつらを殺そうと。


立てねえくらいまで、


殴るしかねえと。


そう思った俺は、


向かって来た奴らから、


徹底的にぶん殴った。