「…、だよね!仲良しだもんね!」









床しか見れなくて、俯いた。


涙でいっぱいになって


視界がぼやける。


泣いてるんだって自覚するのに、


時間はかからなかった。













「じゃ、行くわ」









十夜は授業の終わりの


チャイムと共に、


イスから腰を上げた。


顔を上げられないあたしは、


俯いたまま頷いてみせる。














「ありがとな、これ」









髪の毛が揺れる。


ふわふわ、ってなる。


十夜が…。


あたしの髪を、無造作に


くしゃくしゃにした。


これ、なんて言われて


よく分かんなかったけど。


きっと怪我の手当てのことだろうと思い、


あたしは目一杯、


さっきより強く頷いた。




















何でこんなに、


苦しいんだろ…、あたし。










何で十夜は、


あたしに…、触れるんだろう。

















「好、き…とお…や、好き」
















十夜が出て行った後


涙を流しながら、


勝手にあたしは


十夜への想いを口にした。


告げることの出来ない想いが、


浮かんでは消え、浮かんでは消え。


溢れることが止まらなくて、


十夜への想いが募っていった。