次の授業に出たものの。


何かやる気が無くて。


寝てえな、とか思って。




「保健室行ってきていいっすか、体調悪いんで」




先生に一方的に告げ、


返事を待たずに教室を出る。


向かった先は、保健室じゃなくて


屋上。


たまに寝に行くサボり場所。


授業中なんて、誰もいないし最高。





「眠っ、まじで」




あくびをこぼしながら、


屋上への階段を上る。


ドアを開けて、一歩入ると。





「は?」




俺は固まった。


いやいや、何で。


さっきまで保健室いただろ。


ってか、授業は?


って俺が言えることじゃ


ねーんだけど。


朱里、寝てんじゃん。


何やってんだ、無防備に。





「朱里…起きろ」





控え目に声をかける。


起きてんだったら、


もうとっくに目覚ましてるよな。


何度も声をかけるけど、起きない。





「朱里…」





ふと想いが。


こいつへの感情が、


声で溢れ出る。


やべー、俺。


浮かれ過ぎ?





「好きだ」





しまいにはそう言って。


思い切り自分の頬を殴る。


何をやってんだ、俺。


てか何寝てんだ、お前。