もう、あたしの頭の中は何だかわからない

不安と恐怖で潰されそうだった。






授業が終わりを告げたと同時に、

あたしはガタンと立ち上がって、



「アヤちんごめん!ちょっと用事!」

「え、萌亜!?」




アヤちんは、訳が分からない顔をしていたけど今は説明なんてしている暇がない。



海が、バイクで校門の前で待ってると言ったので、

そこまで人目も気にせず、全力で走った。




「萌亜、大丈夫か?」

「ハァ、ハァ、う、ん。大丈夫!早く行かなきゃ」

「あぁ、とりあえず高校だな?」



そう言われ、あたしはコクンと頷いた。





高校は、あたし達が通っていた思い出が詰まっている高校。





あたしはギュウっと海にしがみついた。



「俺がいるから、安心しろよ。」



そう言った海の言葉で、

あたしは安心できた。




あぁ、こんなにも好きなんだって、

言葉一つでこんなにも安心できる。


そう思っていた。







懐かしい高校に着くと、校門には真奈ちゃんと思われる女の子と………

男の子が2人。





「萌亜さん!?」

「あ、うん!真奈ちゃんだよね?えっと……」




あたしはちらっと男の子2人を見た。


真奈ちゃんはその視線を気づいたようで、


「畑見と高橋です!」

「あ、そうなんだ。あ、彼氏の新倉海です」

「知ってます!有名カップルですし」




あ、そうなんですかって……!


この子が高橋くん。


その高橋くんをガン見した………って!!




「あっちゃんは!?」

「それが……!」