私服に着替えて、
メイクをしようとドレッサーの椅子に座ったその時―…。
バン――!!
「―…!!!??」
大きくな音をたてて開いたドア。
そこには、あっちゃんの姿があった。
「萌亜ちゃん!!お願いがあるの!!」
「うん?どうしたの?」
興奮気味のあっちゃんは、
いきなり正座…?して…
「うちを可愛くしてください!!!!」
「………はい?」
いや、土下座した。
頭を床に附けてそう言った。
今年、高校生になったばかりのあっちゃんは、
自分のことを関西弁で“うち”と言う。
あっちゃん、やっくんのお母さんは関西人でたまーに関西弁が出るんだ。
「今度、友達もいるんだけど好きな人と遊びに行く事になったの!!!だから、可愛くしてください!!!」
顔を真っ赤にして言うあっちゃんの姿が、
すごく必死で可愛いかった。
「いいよ!充分可愛いけど、もっと可愛くなろう!」
「うん!ありがとう、萌亜ちゃーん!」
ガバっと抱き着いてきたあっちゃんは、
本当に嬉しそうで、
青春してるなぁ、なんて懐かしく思えた。