それから数時間後、
中々起きない萌亜を横目で見ながらもさっきから見ているテレビに集中する。
そんな時、ふと目に入った時計が今の時間を教えてくれた。
「あ、」
そういやなんか、今日は早く帰って来いって言われたって言ってたことを思い出し、
俺は萌亜を起こすことにした。
「萌亜、おい。」
「ん――…?」
軽く萌亜の肩を揺らす。
うっすら目を開けた萌亜は、腕を伸ばしてきて
「ギュウして?」
トローンとした目でそう言った。
はぁ、コイツは。
誘ってんのかよ?
まぁ、ないか。
俺は萌亜が伸ばした手をグイっと引っ張って、
抱きしめた。
「ん――…寝る…」
「は?寝んなよ、早く帰んなきゃダメなんだろーがよ。」
「でもぉ―……」
少しウルウルした目で俺を見つめながら言う。
本当になんなんだ、コイツは。
素直だったり甘えん坊だったり、大胆だな……今日。
「送ってくから、起きろ。な?」
萌亜はぷぅと頬を膨らませながらも、コクンと頷いた。
「ふあぁ…」
大きなあくびをした萌亜を立ち上がらせて、
玄関に向かう。
靴を履いて玄関から出て鍵を閉めると、
「う―み―」
めったに……いや、初めて萌亜が俺の腕に自分の腕を絡める。
ビックリして萌亜を見てると、ギュっと俺にしがみついてるように密着した。