「よし、ちゃんと掴まってろよ?」

「……うん」



もう、ぐったりしているあたしをバイクに乗せて海のマンションに向かう。




入学式が始まってからは、やっくんと会うことはなくて今にいたります。





ギュっと海の腰に巻いている腕に力を入れて、

後ろから抱き着くように掴まる。




はぁ、安心する……。


あの時の海は、どうなるかと思ったけどあんまり怒ってないみたいだし、

あれより酷くなったら、

もう、倒れるところだった……。



それから数分後、


「ほら、着いたぞ。」

「…うん」



もう、完璧脱力状態のあたしは歩いてもフラフラ、

ため息ばかり。



海に支えられながら、

エレベーターに乗って、部屋に入った瞬間、


ペタンと玄関に座りこんだ。


「大丈夫か?」


しゃがみ込んで、あたしと目線を合わせた海の胸に飛び込んだ。


「う、海ぃ―…」