「誰だ?」


海の声がさっきより低く感じられて、

あたしは名前を呼ばれた方を見る。


「え?俺?俺は、「やっくんだ」


きっと、やっくんは“幼なじみ”って言おうとしただろう。

でも、この海がだ。


あたしから聞くより始めに直接、幼なじみなんて聞いて良い顔する訳がないんだから。


だから、あたしは慌ててやっくんの言葉を遮る。





「萌亜、足痛む?」

「え、あ、あ、」

「まじー!?うわぁ、本間すんません」


いつの間にかいた、

関西弁の人が何を勘違いしたんだかペコペコ謝ってくる。



そんな状況に戸惑いながらも、

ずっとやっくんを睨む海にドキドキする。



なにが起きるんだか、わからない、


ドキドキハラハラの嫌な緊張感は心臓……いや、

体中に悪い。



そして、この妙な空気を破ったのは


「アレ、さっきの!」


お説教が終わったらしい、
アヤちんだった。