「はぁ…」



あたしは、近い壁に寄り掛かってため息をつく。



ふと、視線は捻った足へ。



「痛いなぁ…」


やっくん、やってくれるよなぁ…。


あ、いや、さっきのド派手なギャルさんのほうがやってくれたかも…。



足踏んで、ぶつかって、無視だもんなぁ…。




あたしはそのままずっと捻った足をジーっと見ていると、

視界に入った、朝から見たビジネスシューズ。




これは……



「う、み?」


顔を上げて見れば、

いい表情をしていない海が目の前にいた。




「お前、なんなんだ。」

「………はへ!?」

「叫んだと思ったらこんなところにいるし。近づいて来てることも気づかずに。」


……あたし、完全に上の空だったんだね。




「アイツ、修一なんてすんげぇ怒られてんぞ?なんだっけ、アイツの苗字。」

「福田…?」

「そうそう、福田なんて修一にビンタしてた。」



び、ビンタ…。


そう言えばだけど、

アヤちんの苗字も同じ福田だったな……って、

すんごい今更なんだけどね?



「そ、そうなんだ」

「で、お前はなんて叫んだ?」

「………なんでもいいじゃんか」